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accordo BLOG

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ヒューズ
2012/11/27

 今日は朝から、ヒューズを付けたり外したりの“ヒューズの日”でした。ヒューズひとつで音は大きく変わります。その変わり方は予想以上。ヒューズでサウンドチューニングというのはいかがですか?

音のスピードとユニット位置
2012/11/03

 音が空気中を伝わるスピードは秒速340m(20℃)。低音はゆっくりと、高音は速く伝わるというイメージを抱きがちですが、音の速度は周波数の高低に関係なく一定です。低音は波長の長い大きな波として、高音は波長が短い直進性の高い波として同じ速度で伝わっていきます。
 このことから、スピーカーと耳との距離が大切であることが分かります。中低音を再生するウーファー、高音を受け持つトゥイーターそれぞれと耳との距離が違っていたら、元の音を再現することは不可能です。ウーファーとトゥイーターから出る同じ周波数の音のタイミングがずれて、互いに打ち消しあったり波形を歪めたりするからです。例えば、クロスポイント(ウーファーとトゥイーターの音が交差する周波数)が3kHzの2ウェイの場合、そこでの波長は11.33cm。その半分の5?pもずれるとウーファーとトゥイーターの音が打ち消し合って周波数特性が乱れ、音質を大きく損ねてしまいます。ウーファーおよびトゥイーターと耳との距離差ゼロが理想です。タイムアライメント機能を使って補正すれば大丈夫と考える人もいるかと思いますが、補正量が少ないほうが高音質に繋がることはいうまでもありません。
 距離とともに、音の到来方向も大切です。たとえ距離が同じでも大きく異なる方向から音がやってきたのでは、音場や音像が不自然になるほか、力のないトゥイーターではウーファーとうまくつながらないこともあります。
 このように見てくると前回、御紹介したコアキシャルスピーカーの優位性が理解できるはずです。セパレート型スピーカーも、耳との距離を考慮しながら、ウーファーとトゥイーターを近接配置することが大切です。

コアキシャル2ウェイ
2012/10/30

 コアキシャルスピーカーは、中低域を再生するウーファーの中心に、高域を受け持つトゥイーターを配置した同軸(コアキシャル)構造のスピーカー。低価格帯の製品が多いことから、セパレート型より性能面で劣ると見做されがちですが、低域から高域まで音の出発点が同じという優れた特質を備えています。そのため、ポイントソースユニットと呼ばれることもあります。
 下の写真は、当店で装着したコアキシャル2ウェイ(MOREL INTEGRA OVATION XO5)。アウディA3の純正位置に収めたものです。このスピーカーは、2.8cm径のトゥイーターを採用した上級コアキシャル2ウェイ。ネットワークが別体のため、トゥイーターのレベル調整が簡単にできるほか、マルチアンプシステムに展開させるのも容易。大いなる可能性を秘めたスピーカーといえるでしょう。
 今回は、AVナビと組合わせただけのごくシンプルなシステムですが、音数が多く雰囲気も豊かで、聴き応え充分のサウンド。加えて、頭を少し動かしたぐらいでは、音像がまったく揺らがないのも、同軸型ならではの強味といえます。ユニットのエージングが進めば、さらにしなやかさや厚みが増し、ひときわ魅力的な音になることでしょう。純正位置にきれいに収まり、内装を一切、変えることなく、音だけを確実にグレードアップできるコアキシャルスピーカー、お薦めです。

ハイエンド・モレル
2012/10/10

 先月、マインズカンパニーのデモカー、ウイッシュを聴かせてもらいました。スピーカーはモレルの最新鋭にしてトップエンドモデルのSUPREMO602。邦貨63万円也という、超ド級2ウェイです。
 ウイッシュのシステムは、ヘッドがカロッツェリアX、パワーアンプはモスコーニASライン。602のパッシヴネットワークを使用したバイアンプ駆動です。
 他のブランドのスピーカーから入れ換えたばかりで、とりあえずタイムアライメントだけ掛けたという状態ながら、音は聴き手を引き込まずにはおかない極上のモレルサウンド。モレルならではの深く厚く、響きの豊かなヒューマントーン。何を聴いても説得力に富んでいますが、“声のモレル”の伝統を裏づけるように、圧巻は女性ヴォーカル。圧倒的なリアリティで迫ってきます。とびきり高額ながら、それだけの価値はあるスピーカー。機会があったらぜひ聴いてみて下さい。



高級スピーカーケーブル
2012/09/28

 軽自動車の10cmダッシュスピーカーを交換したついでに、余興として手元にあった高級スピーカーケーブル(数1000円/m)をつないでみたところ、ものの見事にハズレ。音のグレードは確かに高く、10cmフルレンジからぬ上質さが感じられる反面、「高級感に溢れているでしょ」といわんばかりの鼻持ちならない成金サウンドに変身。急いで取り外して当初、予定していたごく普通のケーブルに戻したのでした。
 スピーカーにはそれぞれ適したケーブルがあるようで・・・。エキセントリックな組合せは避けたほうが無難。適材適所を心掛けたいものです。 

ヒューズ
2012/09/20

 電源ラインのヒューズは、安全を確保するため絶対に必要な装置。ヒューズは細いので抵抗になっているのは確かですが、万が一のことを考えると外すことはできません。
 そこで、ヒューズの接触部分に注目。ネジ留め式は増し締めで対処すればいいのですが、ブレード挿し込みタイプは、ブレードを引っ張って接触状態をチェック。ホルダーがヒューズをがっちりくわえこみ、少々力を入れたぐらいでは抜けない状態なら問題なしですが、ときおり、するりと抜けてしまうものがあります。こんなときは、ブレードをビニールテープなどでぐるぐる2〜3巻き。ブレードに力を加えて、接触圧力を上げてやろうというわけです。たったこれだけのことで、音が俄かに元気になったり、勢いがついたりすることがあります。前回、御紹介したケーブル端子のネジの増し締めもお忘れなく。

端子固定ネジの締め付けトルク
2012/09/18

 スピーカーケーブルや電源ケーブルの端末を固定するためのネジ。このネジの締め付けが多くのクルマで不足しているようです。最初はしっかり締まっていたのに、時間の経過とともに緩んだのかもしれません。
 音楽信号が通る部分であるため、ここのネジが緩んでいると再生音に悪影響を及ぼします。音の輪郭がぼけてきた、力感が乏しいと感じるようになったら、接触圧力の低下を疑ってみるほうがいいでしょう。さらに締め付けが不足していると、接触面の酸化が早く進み、音質劣化に拍車をかけてしまいます。最適締め付けトルクは、ネジのタイプやサイズによって異なりますが、電気の確実な伝送という観点からすると、そのネジが壊れない範囲で最大のトルクで締め付けるのがベスト。接触さえしていれば緩くても電気は流れるだろうという考え方は、オーディオには通用しません。ネジ山をつぶしたりケーブルの芯線を切断したりしないよう充分に注意しながら、ネジの緩みを追放してみてください。きっと音が変わるはずです。

インナーパネルのワックスがけ
2012/09/12

 先日、久しぶりにロードスターのドアトリムを外したときのこと。インナーパネルのあちこちに粘着テープの糊やブチルゴム、それに汚れが点々と着いているのを見て、クリーニングすることを思い立ちました。といっても、コンパウンドのたっぷり入ったボディ用ワックスをかけるだけ。5分もあれば片方のドアを処理できます。
 そこでものは試しと片側だけワックスがけを終えた状態で試聴。もちろんトリムは元どおり、ちゃんと固定しています。音は想像を超えて左右差が大きいものでした。ワックスをかけた側は雑味が取れてすっきりのびやか、声の艶がぐんと増しました。いっぽう未処理側は少しばかり騒々しい感じがするほか、音像もワックスをかけた側にずれてしまいました。その後、未処理側にワックスをかけると左右差は解消、音像位置も元どおりに。
 音の雑味や騒々しさが減ったのは粘着糊やプチルが除去され、インナーパネルの響きが自然になったためと思われます。ドアパネルは内も外も一筋縄ではいかない代物ですぞ。興味のある方は試してみてください。

踊る指揮者
2012/09/09

 スピーカーまわりの手直し以降、何もしていないのに、ロードスターの音が2〜3日前に急に変わりました。音の厚みが増して丸みを帯びるとともに、やや甲高さは感じられるものの、全帯域の音の足並がきれいに揃い、互いに呼応し合うような鳴りかた・・・。オーディオの醍醐味が堪能できる心地よいサウンドです。狙ってもなかなか実現できない類の音の出方なので、これは予期せぬ吉報。原因ははっきりと分かりませんが、バッテリーのエージングがさらに進んだためと考えています。思い当たる要因は他にありません。
 ところが、個人的にこれだけは外せないという愛聴盤(ベートーヴェン交響曲第三番「エロイカ」、エフゲニー、ムラヴィンスキー指揮)をかけると、音が積極的に前に出てくる点は良いものの、中高域が華やかすぎて刺激的な音が耳に障り、聴き続けるのが辛い状態に・・・。過剰や装飾を徹頭徹尾削ぎ落とした峻厳な演奏で知られるムラヴィンスキーの音楽が聴こえてこないのです。まるで御大層な顔つきに加え、身振り、手振りの大仰な踊る指揮者のごとし。これではならじ、マエストロに申し訳がたたぬと、すぐさまドアの制振を修正。響きを大切にしながら、一音一音にエネルギーが宿るよう調整を行いました。イコライザーやタイムアライメントなどのデジタル機能を一切、使っていないので作業はけっこう大変。しかし、なんとかマエストロを、踊る指揮者の水準から脱出させることができました。やはりオーディオにタナボタはないようで・・・。

“いい音は一日にして成らず” 
2012/09/05

 先に御紹介した“スピーカーまわりの手直し”の続稿です。ネジ穴のあけ直しと同時に行ったのは、ウィンドウガラスのガイドレールへの制振作業。ロードスターの場合、三角窓を形造っているガイドレールがウーファーの後方至近を斜めに走っているので、どうしても大きな背圧を受けます。これまではエプトシーラーを貼っていたのですが、より強力な制振効果を得るべく、制振シートを貼り込んだのです。とはいっても無闇に貼ったのでは効果が得られなかったり、逆に振動を増幅したりするため、適切な貼り方が要求されます。最適なサイズの制振材を、適切な位置に貼ると、低域の厚みが出て、音色も一気に豊かさを増します。
 一般のクルマで、ロードスターのガイドレールに相当するものといえば、サイドインパクトビームでしょう。ガイドレールほどヤワではないため振動しにくいはずですが、まったく振動しない訳ではありません。音のエネルギーは強大です。吸音だけでなく制振も必要と思われます。オーディオにおいては、ごく小さな不要振動が音を台無しにするのはよくあることです。
 このほかにも、スピーカーに関してはやるべきことがいっぱいあります。それを、ひとつひとつ丁寧に対策していくことがいい音に近づく唯一の道。フロックでいい音はできません。小さな事も疎かにせず、基本に忠実にこつこつと改良を加えた者だけが、音楽が伝わる音を手にすることができるのです。

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