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単体パワーアンプを導入した本格的なシステムを使っていながら、アンプのゲイン調整に関しては意外に無頓着な人が多いようです。アンプのゲイン調整はただ単に音の大きさを変えるだけのものと考えがちですが、それだけではありません。とても微妙なのですが、ここぞという『美味しい』ポイントを見つけ出せば、音の様相が大きく変わる可能性があります。一言でいえば、音が厚く明瞭になり勢いがつきます。ゲイン調整ボリュームは長期間、動かさないと接触不良によりノイズの原因になることもあります。定期的に動かしてノイズを追放するとともに、ベスト位置を探し出して、いい音を引出したいものです。
27日(火)は出張取材のため、お休みさせていただきます。
システムの良否や出来映え、完成度を判断するとき、皆さんは何を基準にしていますか? 判断基準は人それぞれ、多岐にわたると思いますが、最もわかりやすいのがソースによる音の違い。よく出来た完成度の高いシステムでは、ディスクを交換するたびに雰囲気や音の気配ががらりと変わります。変わり身が早いというと語弊があるかもしれませんが、瞬間的にそれぞれのディスクが持っている音場感で車内が満たされます。FMラジオとCDの音質の違いも明確に表現します。もちろん、システムの特徴、とりわけスピーカーの個性的な表現や独自の音色を随所に織り込みながら…。これに対して、システム完成度が低いとディスクを換えても、常に一本調子。だから、飽きてしまいます。システムの良否チェックの目安にして下さい。
ホームページでご紹介している「現有システムのサウンドチェックとその場でできる音質改善処置」の定額料金制と時間設定を廃止させていただきます。今後は一台一台の状態に合わせて、従来以上に木目細かく対応させていただく所存です。どうぞ気軽に御来店ください。音やシステム等に関する疑問や質問も遠慮なくお寄せください。なお、定休日を不定休としてさせていただいている関係上、ご来店の際にはできるだけ前以てご連絡をいただけると助かります。よろしくお願いします。
ドア内部の処理は左右対称が大原則。プレス加工されたインナーパネルは、細部までよく見ると左右で各部分の形状が微妙に違っている場合もありますが、それでも制振材や吸音材は大きさや貼り込む位置を左右で厳密に揃える必要があります。これくらいでいいだろうと適当な処理をしたり、余計な勘を働かせて左右不均衡な施工を行うと、後が大変です。これをやってしまうと、当然のことながら左右で音が違うため良好なステレオイメージが得られないだけでなく、後で音を修正する必要が生じたときに、どこまで遡ればいいのかまったくわからなくなってしまいます。迷ったりわからなくなったら、原点に立ち返ってみるのがオーディオに限らず物事を追求する場合の鉄則。みずからその可能性を放棄してしまうのは得策とはいえません。定規を使ってでも、左右均等を愚直に守ることが大切です。そうして、制振材や吸音材は大きさや貼り込む位置をミリ単位で追い込む必要があります。大量に貼り込むなら別ですが、自然な音色を大切にして必要最小限の制振、吸音に留めるなら、左右で可能な限り違いがないように施工したいものです。ほんのわずかな施工の差が、どんなに大きな音の違いを生み出すか、実際にやってみると誰でもその落差に驚くはずです。それほど違います。いろんなことをやっても、なかなか音が良くならないとお嘆きの方は、一度このあたりをチェックしてみる必要があるかもしれません。
先日、御紹介した「大切の法則」について、少しばかり補足を……。スピーカーの近くはいい音を生み出す肝心要の部分だからしっかりとしたインストレーションを行うのは当然として、これと対抗する遠く、すなわちドア後部はパネルを伝わってきた振動をスムーズかつ自然に減衰させるように、制振や吸音材等で処理すると音の厚みやまろやかさが増して、耳に優しく聴き応えのあるサウンドになっていきます。そして真ん中、この部分はドアの前部と後部の音の橋渡し部分であるとともに、前後の音のシーソーの支点として作用しているという印象を受けます。ユニットの近くばかりに力を入れると音はストレートで切れ味鋭いものになる反面、味わいに欠ける感じが否めず、ドア後部をやりすぎると穏やかながらシャープさが失われる方向に進みます。真ん中はどうかといえば、やりすぎると厚ぼったく精彩を欠く音、足りないとぎすぎすした印象の音になりがちです。そこで前後のバランスを見ながら音を整えていくのですが、使用する部材の材質や大きさによって、かなりシビアに音が変わるので細心の注意を払う必要があります。そうやって、遠くと真ん中をバランスよく仕上げると、切れよくのびやかな直接音に加えて間接音が増えたような印象があり、臨場感豊かなサウンドが得られます。
3ウェイが多いですね。いつの間にどうしてこんなに、というほど…。まるで3ウェイでなければ本格的カーオーディオにあらずといわんばかりの勢い。それはそれでいいのですが、問題はその音。正直に言ってしまえば、これなら2ウェイのほうがよっぽどましといったシステムが少なくないように感じます。音質、バランス等に加えて、そのスピーカーならではの魅力に富んだサウンドが聴けないのです。3ウェイの意味がない3ウェイ。オーナーは2ウェイより3ウェイのほうがいい音がするはずと思い込んで導入したのでしょうか?クロスポイントが2ウェイの2倍ある3ウェイは調整がとても大変です。ただ単に帯域を切って貼ってといった調整なら簡単ですが、タイムアライメントを掛けたうえで隣り合うユニットとの位相関係にうまく折り合いをつけて音を調整するのは実に大変なことなのです。そんな3ウェイの落とし穴にはまったときは、一時的に2ウェイそれもネットワーク仕様に戻してみるといいでしょう。3ウェイのネットワークがあるスピーカーなら、それを使いましょう。そうすれば、音色をはじめどのような方向のサウンドにまとめあげればいいのか、解るはずです。ネットワーク仕様のサウンドは、そのブランドの公式見解。使用システムの音の原点を聴くことができます。3ウェイでスランプに陥っている人は、ぜひ試してみてください。え? パッシブレスで買ったからネットワークがない? そんなときはご一報を。そういうユーザーのためにaccordoはあります。
これまで、近くほど大切の法則や遠くも大切の法則をご紹介してきましたが、今回はその第三弾、真ん中も大切の法則です。うん? なんのこっちゃ、結局は全部大切ということではないか、と思った人も多いでしょうが、つまりはそういうことです。とはいっても、スピーカーユニットの近くは、やはり最もインストレーションに力を入れるべき場所であり、それをサポートするためにドア後部の処理もきっちりやりたいというのが以前、紹介した話の骨子です。これに加えてドア中央部もやはり、ちゃんとやればそれに見合った効果が得られるというのが、今回の話の趣旨です。このドアの中央部、一般には最も振動しやすい部分なので制振をしっかり行うのが常識になっているようですが、制振材を貼りすぎるとつまらない音になりがちなので注意が必要です。この部分はユニットで発生した振動を、ドア後方に向けてスムーズに減衰させながら伝達するという役目を持っており、むやみに制振材を貼ると、再生音を台無しにする可能性が大。しかも、ここは思いのほか敏感で、制振材の種類や大きさによって音は驚くほど大きく変わります。物量投入型のデッドニングを行っているクルマは、改良の余地がありそうです。近くほど大切の法則は不変ですが、遠くや真ん中も手を抜かないように、そして無意味にやりすぎないように気をつけましょう。
ずいぶん前になりますが、カーオーディオは直接音が支配的であるためスピーカーユニット近傍に注力したインストレーションを行えばいい音が実現できるという、近くほど大切の法則をご紹介しました。これはとても大切な法則です。ユニットの至近部分の処理がいい加減では、絶対にいい音など出ないからです。近くほど大切の法則を実践すれば、いい音への最も高いハードルを超えたといってもいいでしょう。しかし、これで終わらないのがオーディオの面白さと奥深さ。遠くも結構、大切です。近くほど大切の法則に則って施工したシステムでも、遠い部分に少し手を加えると再生音は大きく変わります。特にインナーパネル。そのスピーカーから遠い部分の振動モードを変化させると、これまで聴くのできなかった音が出現します。何をやっても音が変わるのがオーディオの面白さと怖さですが、それが実感できます。それなら、近くほど大切の法則は間違いかというと、そうではありません。近くはやはり、文句なしに大切です。これに対して遠くはいい加減でいいのかといえば、そうではないという意味です。遠くにも目を配れば、より魅力的でこれまでより踏み込んだ音楽表現が得られるという訳です。現在の音にいささかマンネリを感じている人は、チャレンジしてみてはどうでしょうか。お手伝いします。
先日は、ウーファーのマウントベースの重要性について書きましたが、当然のことながらトゥイーターでもまったく同じことが言えます。ユニットが平滑なベースに均一な力で固定されている事が大切です。そうでないと、ユニットが持つ本来の音は期待できません。盛り上げたパテの中にユニットがすっぽり埋まっていたりするとぞっとします。また、トゥイーターはユニットの支持方法によって音が大きく変わります。ユニット取付けネジにワッシャーなどを入れてみるのも、その手段のひとつです。こうしたユニットの装着の仕方による音の変化は、グライコなどによる補正で得られるものとは、根本的に異なるものであることはいうまでもないでしょう。